プロジェクト紹介

  カーボンオフセット事業


 
当社では2007年に国連に登録することができたラオスのビール工場の省エネ事業によるCDMプロジェクトから取得できる正式な炭酸ガス削減クレジット(Certified Emission Reduction=CER)について、量的に少ないものの途上国の省エネ努力に対してわが国が支援することで実現した筋のよいクレジットであることから、単なる相対取引ではなく、最近拡大しつつあるカーボンオフセットにつなげていきたいと考えている。自分が発生させた炭酸ガスをカーボンオフセットによって埋め合わせたいと考える環境意識の高い企業や消費者に対して、CDMの趣旨に合った良質なクレジットを提供し、当社は得られた資金で新たな温暖化ガス削減プロジェクトを開発するというメカニズムを実現することで、温暖化対策やCDMに対する理解を増進し、また小規模ではあるが地球温暖化対策に関する市民参加の実例をつくっていきたい。カーボンオフセットが実施されれば、参加者は自分が原因となってどのくらいの炭酸ガスを発生させているのかを具体的に知るようになるであろう。また、実際に炭酸ガス削減に対して費用を支払うことで、地球温暖化に対して社会全体としてどの程度の負担が必要なのかを実感できるはずである。環境税(炭素税)についても冷静で定量的な議論ができるだろう。地球温暖化問題について何かしたいという意識を持った人々にとっては、クールビズや打ち水といったレベルを遙かに超えた活動の場が生まれることとなる。当社としてもそういった前向き(proactive)な動きと連携していきたい。
注:オフセット(offset)とは「埋め合わせる(cancel out)」という意味の単語。

 カーボンオフセットは英国をはじめ欧州各国ではすでに定着しているスキームであり、個人や団体がその活動によって発生させてしまう炭酸ガスについて、その分を埋め合わせるため、他のところで確実に炭酸ガスを減少させたと認定されたCER(あるいは同等の炭酸ガス削減クレジット)を同じ量だけ購入するものである。(以下の図 参照) このためには、炭酸ガス発生量をきちんと計算することが出発点となる。個人の場合、飛行機を利用する場合の炭酸ガス発生量が非常に多いので、欧州では航空券購入の際にオフセットすることからスタートした。わが国では2007年末ごろからこのカーボンオフセットの検討が始まり、2008年2月に環境省がカーボンオフセットのガイドラインを発表して、いよいよ本格的にスタートした。

 環境省の定義によればカーボンオフセットとは:

市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせることをいいます。(カーボンオフセットフォーラムHPから)




炭酸ガス発生量計算
CO2 ++

 CO2 オフセット費用


オフセット証書


投資


クレジット







 Project CO2
 
 
典型的なオフセットの例としては、環境団体が国際会議を開催するような場合、参加者は飛行機や自動車を利用して会場までやってくるが、その過程で炭酸ガスを排出する。日本から欧州まで往復した場合、一人当たり約3トンの炭酸ガスを発生させるという試算もある。このため、国際会議の主催者としては会議を開催したことで増加した炭酸ガスをカーボンオフセットによって埋め合わせるわけである。このためには、主催者は各参加者から追加費用を徴収して会議によって発生した炭酸ガスと同量のCERまたはその等価物を購入すればよい。ここで必要となるのは、まずどの程度炭酸ガスが発生するかを正確に計算することである。これは結構難しい。交通手段と行っても自動車、飛行機、鉄道などそれぞれのエネルギー消費量、炭酸ガス発生量はバラバラであり、厳密にやろうとすれば各参加者がどのようなルートで移動したかを細かく調べなければならない。

 次に誰からクレジットを買うのかという問題になる。これについてはオフセットプロバイダーという企業から購入するのが通例である。したがって、当社もオフセットプロバイダーの仲間入りをして事業をスタートさせようということである。このプロバイダーについては現在のところ免許などは必要ない。当社が販売する予定のCERの場合には1トンごとに識別番号がもらえるため、たとえば10トンのCERを販売する場合には、CER番号******01から******10を相手方に引き渡すというかたちとなる。もちろん、これを受けとった個人や組織はそのクレジットが将来、転売されないように措置(=無効化)しなければならない。あるいは、代金受領後に当社がクレジットを償却してしまうという方法も可能である。ただし、こういった取引はすべて机上のものであるため、オフセットのために支払われた費用が確実に正式なクレジットと交換されていること、同じクレジットが何度も使われていないこと(ダブルカウントの防止)などを認証する第三者機関が必要となるはずである。この認証制度は試験的に2009年4月からスタートしていて、申請すればオフセット実施の証明を受けることができる。

 ここで心配になるのが、カーボンオフセットが広まった場合に「炭酸ガスを発生させてもお金を払えばよい」という考え方が生まれてしまわないかということである。これでは、わが国の大多数の企業や個人が炭酸ガスを減らそうと努力しているところに水を差すこととなってしまう。したがって、カーボンオフセットを実施する企業や個人に対してはまず炭酸ガス発生を抑制するという姿勢が強く求められる。そういった努力の結果、やむを得ず発生させた部分についてオフセットするという話でなければならない。

 
当社のCDMプロジェクトから得られるCERは多くても年間3,000トン程度である。したがって、大規模なオフセットプロジェクトには対応できない可能性が高い。これまでのところ、2008年7月19日から21日の3日間 静岡県つま恋で開催されたap bank festival 08でのカーボンオフセットに唯一採用されたほか、2008年7月7日から開催され大きな注目を集めた北海道洞爺湖サミットでのカーボンオフセットにも活用されることが決定し、こういった大きなイベントの主催者から小規模ながらもカーボンオフセットの対象としてふさわしい質の高いCDMクレジットとして評価されたと言えるだろう。また、Yahooカーボンオフセットにも参加して、多くの方々の目に触れる機会も増えてきた。しかし、第1回目のCER取得手続は予想以上に難しく、時間がかかっている。このため、これ以上のオフセット案件については、しばらく待っていただくようお願いせざるを得ないのが残念なところである。

 
  カーボンオフセットとVER

 
途上国における太陽光発電・小水力発電、あるいは省エネ型機器への更新などの省エネ活動に投資が行われる場合、さまざまな理由でCDMとはならないケースが多いが、そういった場合でもいくらかの炭酸ガス削減効果があることは明らかである。このため、これに対応するクレジット(これをVerified Emission Reduction=VER と呼んでいる)もCERに準じるものとして、一定の認定を受けてカーボンオフセットに利用可能とすべきであろう。さらに、CERに比べて厳密に証明されたものでないため、VERの市場価格は割安になるはずで、VERによるカーボンオフセットは比較的手軽に実施でき、個人や小規模なグループなどには歓迎されるであろう。当社はこれまでも途上国における太陽光発電の普及といったプロジェクトを推進してきたが、こういったプロジェクトは1件当たりの炭酸ガス削減量が小さすぎるため、手続費用などの負担を考えると正式なCDMにはなりにくく、事業として投資する人はこれまでほとんどいなかった。これはCDMというスキームのかかえている問題点である。しかし、こういったプロジェクトを誰かが推進すべきであることは間違いない。VERが広く認められるようになれば、こういった小規模案件にも投資するという動きが出てくることが期待できる。こういった草の根プロジェクトは京都議定書によるわが国の6%削減義務にはカウントされないが、わずかでも地球全体として炭酸ガス削減につながるのは確かであり、さらに途上国の持続可能な発展にも貢献できるというWin-Winのプロジェクトなのである。こういったプロジェクトを環境意識の高い個人レベルのサポートで実現していくことができるよう、当社はこれからも活動を続けていく。

   
カーボンオフセットをやってみよう

 
当社としては、地球環境問題に関心を有する団体、学校などと連携してカーボンオフセットの考え方をわが国社会に広めていきたいと考えている。ここで中心となって活動して欲しいのは青少年の諸君である。地球温暖化は彼らが生きていくこれからの時代にもっと大きな問題となるからである。大人にまかせておけないという諸君が思いきりやってくれることが何よりである。彼らの情熱と無限の行動力に期待したい。とりあえず、世の中にカーボンオフセットをもっと知ってもらうために試験的なプロジェクトをいくつか実施したい。エコイベント、村おこし、祭などいろいろなケースで人々は炭酸ガスを発生させるが、こういったケースにカーボンオフセットを組み込んでみてはいかがだろうか。まず、炭酸ガス発生を抑制する活動を行い、最後にどうしても避けられなかった炭酸ガス発生がどの程度であったかを計算し、それに対応したクレジットを購入するという一連のプロセスを体験することは、彼らの将来にとって大きな財産となるであろう。ふつうのイベントでオフセットされる炭酸ガス量は10トン程度であろうから、当社の限られたCERでもかなりの件数のオフセットプロジェクトが可能なはずである。当社が取得するCERを原資としてカーボンオフセットが国民運動に発展するのであれば大変嬉しいことである。・・・・ということで↓。

(photo:NASA)

カーボンオフセットの プロジェクト企画 募集中
post@proact.co.jp

 カーボンオフセットが動き出せば、当社として取り組みたい途上国におけるエネルギー関連事業はいくらでもある。ラオスやアフリカで長年蓄積してきた経験を生かして、わが国と相手国のWin-Winの事業を実現したい。機は熟しつつある・・・・。



太陽光発電利用の充電料金の看板 (ラオス)

↑オォーッ!! 最高のエコ!! 世界中にもっと普及させたいナー...........